フォークリフト免許について話そうと思う

工場の資格

工場や工事現場、倉庫などで働いている人に馴染みのある資格として代表的なものは何といってもフォークリフトでしょう。

工場が身近にない学生さんなんかは、知らない人もいるかもしれないですね。私も就職する前は「物を運搬する爪のついた車なんだな」くらいしか知りませんでした。そしてまさか自分がフォークリフトに乗ることになるなんて、大学生の頃は全く想像していませんでした。

今回は私がフォークリフト講習を受けた時のことを紹介しようと思います。

フォークリフトの講習は全三日間で行われ、最初の二日間は実技講習、最後の三日目は学科講習という構成になっています。

受けることになった経緯

私がその当時働いていた会社では、入社してもうすぐ一年経つかなといったくらいにフォークリフトの講習を受けてこいと会社の上司から指示されます。

その頃の私は、新人の現場作業員としてせっせと製品を台車に載せる作業をしていました。その台車はとても大きく、台車に製品がいっぱいになったら台車をフォークリフトを使って積み上げなければいけません。いつもは会社の先輩が台車を積み上げてくれましたが、とうとう自分の番がまわってきたということです。

私は車の免許を持ってはいましたがペーパードライバーのため(免許を取ってから三年近く一度も乗っていない)、フォークリフトなんて運転できるのかなぁなんて不安に思っていました。

先輩にフォークリフトの講習についてきいてみると、「まぁ余裕でしょ。不合格の人もいたと思うけどほとんど全員合格してたよ。でも講師の人はスパルタだから気を付けてね。」とのこと。

フォークリフト講習には運転免許を持っているか持っていないかで、コースが分かれています。私は免許を持っていたので、おそらく周りは車に乗りなれた人たちだろうと思い、ますます不安になりました。

そして講習の会場を調べてみると、案の定駅から遠く平地が広がるだけの何もないところが会場となっていました。駅から徒歩で20分くらいでした。

私は歩くのは嫌いじゃなかったため、20分くらいなら大丈夫かと思って電車で行くことにしました。

そして迎えた講習会当日に公開処刑をくらう

季節は冬。朝早く起きて会場に向かうも外は非常に寒い(しかもその日に限ってみぞれだったりする)。足場も悪い中、無人駅から20分道なき道を歩き続けてようやく会場に到着しました。

本当にここが会場なのかと最初は不安に思っていましたが、わかりづらいところに小さな看板を発見し、のこのこと会場に入ります。

会場は倉庫みたいなところでした。ガンガンにストーブを焚いていても外とほとんど変わらない寒さです。

講習会場にはいかにもガテン系のおじさんみたいな人が二人いました。一人はいかにもスパルタっぽい感じがする人で、もう一人はそうでもなさそうな人でした。どうやら講習の準備をしているようです。とにかく寒かったためストーブ前に陣取って講習開始を待っていました。

そしてぞろぞろと受講者が集まってきましたが、周りの人の年代は様々でしたね。おじさんだったり私みたいに新人だったり、女性の方も受講していました。

講師は二人なので二つのチームを組んで行います。どうやらスパルタっぽくない人が私の担当のようです。ひとまずほっとしました。

そしてもうすぐ講習が始まるなと思い、会場の席番号を確認するとなんと一番!

会場に用意されているフォークリフトは二台。当然交代で練習していくことになります。一番ということは、最初にフォークリフトの練習をみんなの前でさせられるいわばお手本みたいな存在です。

早速お腹が痛くなってきました。

始めに講師がこんな感じで運転してみてくださいとお手本を見せて、そのあとにいよいよ私の番がやってきます。

最初は指差しして周囲の確認。エンジンを起動させていざ前進。これは大丈夫。しかしバックとなると、後ろを見ながら変にハンドルを動かしてしまうためかなかなか元の位置に停められない。

ああ、やってしまった・・・

その時の私はほんとに申し訳ない気持ちでいっぱいでしたね。

講師からはもちろん「お前車の免許持ってるのにバックもできないのか?」なんて言われる始末。いやはやごもっともです。

その後も講習は続きます。必死で覚えようととにかく手順を目に焼き付けて、実際に運転した気持ちになって操作方法を確認しました。

しかし手順は覚えられるようになっても運転がうまくいかない。壁にぶつかってしまったり距離感を間違えて積み荷を台にぶつけたり大変でした。

しかし、一番フォークリフト講習の難関はぶつけないようにして運転するということではありません。

それは制限時間です。

時間内に積み荷を持ち上げて指定の場所まで運搬し、置くという作業をしなければならないのです。

私のタイムは合格ラインの時間の二倍近くかかっていました。このままじゃ合格できません!

ここで落ちてしまったら会社の人にどんな顔して会えばいいのか。

周りの目なんか気にしてられない。とにかくがむしゃらに練習しました。

しかし合格ラインの時間に一度も届かず、一日目を終えました。

そして迎えた二日目。

二日目からは各自順番に練習していき、その日の午後から本番が始まります。私のタイムは一向に伸びず、見かねた講師がこんなことを言ったのです。

「このままじゃマズイから、向こうのチームで練習しよう。」

そのあとのことはぼんやりとした記憶しか残っていません。

そしてスパルタ講師によってビシバシ鍛えられた私は、講師がついた状態で運転して合格ラインぎりぎりのタイムくらいで本番を迎えました。

いよいよ本番。自力で合格タイムなんか超えたことがない私はぶっつけ本番で挑むことになりました。

緊張と寒さで震えながらも、指差し呼称を忘れずに運転していきます。積み荷を持ち上げてくねくね道を通って所定の場所まで来たとき、積み荷を載せたパレット(プラスチックの台)が若干積み荷を載せる台にぶつかったような音がしました。

「あれっ、これって一発アウトじゃないか?」

それでも講師の人は何も言わないので気にしないように積み荷を置いて、無事に戻りました。

タイムは知らされないようだったので結局私が何分でゴールしたのかはいまだにわかりません。

結局もやもやしたままその日は終わりました。

三日目は学科講習。

実技講習と異なり、暖かい部屋で講師からありがたいお話を聞かされます。

ぽかぽかして気持ちよくなると、だんだんと子守唄のように聞こえてきてしまい当然ウトウトしてしまいます。その時の私は実技の緊張感から解き放たれて余計緩んでいましたね。

睡魔と戦いながら話を聞いていると、「ここは重要ですからね」なんて急に言い始めるので急いでメモを取ります。それの繰り返しでしたね。

そして学科試験ではほんとにその通りに出題されたので、苦戦することなく三日目を終えることになりました。

講習を全て終えてから二週間くらいしてようやく結果がわかります。

結果は合格。無事に免状を受け取ることができました。

免許を受け取ったということは、実技試験も合格していたということ。あれは結局大丈夫だったのかと思っていましたが、免状もらったならいいやと嬉しい気持ちでいっぱいでしたね。

最後に

ここまで読んでくれた皆さんへ。

私で合格できたんですから、きっと出席していればフォークリフト講習は合格できます。これは間違いないです。

今では転職してしまいフォークリフトを使うことはありませんが、この経験は忘れることはないでしょうね。

機会があれば、是非皆さんチャレンジしてみてくださいね。頑張る皆さんを応援しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました